工事現場を取り込んで比較してみる①
Metashapeで工事現場の写真を取り込んでみました。
また、今回撮影した工事完成後の写真とは別に、1年前に撮影した工事前データもあるので、両方のデータを使い工事前と工事後の比較映像を作ってみようと思います。
撮影場所
神奈川県道13号横浜生田線の長沢浄水場から登戸方面に少し下った辺りになります。現在も拡幅工事を行っている区間です。
この場所を2018年9月と今回(2019年9月)に撮影しました。
道路拡幅の為、法面が作成されています。

左の写真は工事前の伐採が行われた状態、右の写真は法面部分が完成した状態になります。
この二つをMetashapeで3Dモデル化して、後ろのマンションの位置を基準にして、同じ位置に合成してみようと思います。
工事前の取り込み
カメラはSIGMA DP2Merrill(1500万画素・焦点距離45mm相当)を使用しました。 キャリブレーションデータは未使用です。
写真撮影枚数は27枚、約2m(2歩)に1枚の間隔で撮影しています。

綺麗にアライメント出来ています。
Metashapeは元々ドローンなどを使用して数値標高モデル(DEM)などを取るために使われるアプリなので、自然地形にはキーポイントがより多く配置され、非常に良い精度でアライメントが出来ます。
逆に言えばフラットな壁面や光沢物、暗いもの(コントラストの低い物)に関してはキーポイントがうまく生成されずアライメントの精度が低くなります。
カメラアライメントに関しては、一定の間隔で迷彩模様を印刷した紙などを配置することで精度を上げる事ができます。

高密度クラウドの生成結果も比較的良好です。
基本的に表層モデルを生成するアプリなため、金網や柵・手前にある構造物(看板や柱等)や穴の開いた形状の部分は形が破綻してしまいます。
写真撮影時はなるたけ手前にかかるものを少なくする、人や車などの移動物が写らないようにする、などの対策をすることで良好な結果を得ることができます。

メッシュの生成も綺麗に計算出来ました。
今回はこの後CINEMA4D上でレンダリングする予定なので、[ポリゴン数]-[低]の設定にしてメッシュを生成しています。(約56万ポリゴンになりました)
法面断面の形状も比較的良く取れていますが、若干見上げ視点で撮影しているので、上面に穴が出来てしまっています。
ポールなどを使い少し上から撮影すれば上面も取れそうです。
テクスチャーを4096x4096ドットで生成しました。特に問題無く生成出来ているようです。
これで工事前のモデルデータ取り込みは終了です。
工事後の取り込み
引き続き工事後の写真からデータを作っていきます。
工事前(1年前)と同じく、カメラはSIGMA DP2Merrill(1500万画素・焦点距離45mm相当)を使用しました。 キャリブレーションデータは未使用です。
写真撮影枚数は72枚、対象物に対して手前側は約1m(1歩)・奥側は2m(2歩)に1枚の間隔で撮影しています。

工事前とほぼ同じ場所から撮影していますが、より精度が高くアライメントされています。
基本的には撮影枚数は計算時間が許す限り多い方が精度が良くなります。また、今回は歩道の幅分ですが距離を変えて撮影しています。
高さや距離などを変えて撮影することで、より精度を上げる事ができます。

工事前の約2倍、72枚の写真を撮影することで面の形状や後ろのマンションなど、より精密な高密度クラウドが生成できています。

メッシュもより高精度に生成できました。
工事前と同じく[ポリゴン数]-[低]の設定にしてメッシュを生成しています。(約65万ポリゴンになりました)
CINEMA4Dでの合成時は背景と法面を別オブジェクトに分離する方向で考えているのですが、背景のマンション部分はこちらの精度の高いものを使おうと思います。
工事前と同じく4096x4096ドットでテクスチャーを生成しました。特に問題無く作成出来ているようです。
動画で見ると手前の道路部分が構造物の影になってしまい、全く生成されていないのが気になります。
この部分は棒を伸ばすかドローンを飛ばすしか方法が無さそうなので、今回は消す方向でいこうと思います。
これで工事後の取り込み作業は終了です。
まとめ
今回は以前のデータがあったので、同じ場所での撮影方法によるデータの違いを検証出来たので勉強になりました。
同じカメラを使用していて撮影条件や季節(光の向き等)も同じ条件なので、写真の枚数や撮影位置によってどれぐらい取得できるデータが違うのかが良く分かりました。
次はこの二つのデータをFBXでCINEMA4Dに持っていき、アニメーションを作成する予定です。